看護師さんの職業病とも言われる「手荒れ」。看護師さんの中には、手荒れが原因で業務はもちろん日常生活にまで支障が出てしまう方もいらっしゃいます。
そこで本記事では、看護師さんの手荒れを防止するハンドケア対策を紹介します。
勤務中にできるケアと自宅でできるものの2つに分けて解説するので、ぜひ参考にして取り入れてみてください。
看護師さんが手荒れをする原因と影響
看護師さんが悩まされる手荒れとは、簡単に言うと、手がカサカサになったり、ひび割れたり、皮膚が厚くなったりする状態のことを指します。
まずは手荒れの原因や業務への影響を確認していきましょう。
原因
看護師さんが手荒れに悩まされる一番の原因は、頻繁な手洗いと消毒です。
度重なる手洗いによって皮脂が洗い流されることで皮膚のバリア機能が低下し、水分が過剰に外に出てしまいます。
さらにアルコール消毒に含まれるアルコール成分と一緒に必要な水分が蒸発してしまうことが、手荒れをより悪化をさせる原因です。
手荒れによる影響
手荒れにより皮膚のバリアが弱まることで、看護師さん自身がウィルスなどに感染しやすくなります。
さらに、手荒れの手には細菌が常在してしまうため、患者さんへの感染リスクを高める原因ともなるのです。
手荒れは、衛生が重視される看護師さんの仕事に悪影響を及ぼすと言えるでしょう。
勤務中にできるハンドケア対策
手荒れを防ぐためには、日頃のハンドケアが欠かせません。
看護師さんが勤務中にできるハンドケアから見ていきましょう。
正しい手指衛生
手の洗い方から水のふき取りまでの一連の動作を正しく行うことが、何よりも手荒れ対策の基本です。
手洗い時は石けんをよく泡立て、手のひらや手の甲はもちろん、指の間や爪の周り、手首までしっかりと洗います。手荒れの原因となる石けんの流し残しにも注意しましょう。
また、案外軽視されやすいのが水の拭き取りです。
皮膚が濡れたままだと手が外部からの刺激に弱くなってしまうため、水分の拭き残しには注意しなければなりません。
手をこすって拭くと手への刺激が強くなるため、優しくたたき拭きをするようにしましょう。
こまめな保湿
手の乾燥は手荒れ悪化の大きな原因となります。
冬場の乾燥しやすい時期は特に、手洗いとセットでこまめに保湿を行うようにしましょう。
保湿クリームは、アルコール成分が少ないものを選ぶのがおすすめです。
さらに手荒れしやすい方は「敏感肌用」と記載のあるものを選ぶと良いでしょう。
クリームを塗った後に作業に影響が出ないよう、ベタつかず肌になじみやすいものを選びます。
また、勤務中に使用するクリームは使い勝手の良さも重要です。
持ち運びに適した小さなチューブタイプのものを選ぶと良いでしょう。
皮膚状態にあわせたケアを行う
手荒れの症状がある看護師さんは、肌の状態にあわせたケアを行うことが理想的です。
例えば、乾燥がひどい場合には就寝前にもナイトクリームを塗り、ひび割れがひどい場合にはワセリンなどの油分の多いクリームを使用するなどすると良いでしょう。
自宅でのハンドケア対策
最後に、自宅でできるハンドケアを紹介します。出勤前や帰宅後に、取り入れてみてください。
手袋をして寝る
乾燥が気になる場合は夜にクリームを塗り、その上から手袋をして就寝するのがおすすめです。
手袋は、シルクやコットンなどの肌に優しい素材を使用した商品を選びましょう。
パックやマッサージを取り入れる
自宅では、勤務中にはできない、より時間をかけたハンドケアを行うのがおすすめです。
例えば、手の血行を促進するために入浴中やクリームを塗る際、手をマッサージしてみると良いでしょう。
他にも、顔のパックのように、手の乾燥を防ぐハンドパックを使い、集中的に手の保湿をするのもおすすめです。