現政権では、エッセンシャルワーカーである看護職の賃上げを目標に掲げています。
2022年からの賃上げが予定されていますが、そもそも看護師さんのお給料はどのようにして決まるのでしょうか。
そこで今回は、看護師さんのお給料がどのように決まるのかを解説していきます。
これを機に、給与の基本的な仕組みを理解しておきましょう。
給与の大きな割合を占めるのは「基本給」
看護師さんの給与は、勤務先の病院の「給与規定」「就業規則」「給与表」を元に決められます。
給与の大部分を占めるのが、基本給の部分。
給与規定などで基本給がどのようなタイミングで上がるのかを把握しておくと、今後のライフプランを立てやすくなるはずです。
病院ごとに大きく異なる基本給
結論を先に言えば、基本給とその上がるタイミングは病院により大きく異なります。
多くの病院では、業務内容や役割に価値を置く「仕事給」と、勤続年数や年齢、学歴を参考にする「属人給」の2つに基本給部分を分けて算出しているケースが多いようです。
それに加え、ほとんどの病院では各種手当が加算されます。
仕事給と属人給
では、基本給を構成する「仕事給」と「属人給」の特徴について、もう少し詳しくみていきましょう。
・仕事給
仕事給は、業務内容によって変わる「職務給(役割給)」、職能資格の有無によって変わる「職能給」、役割の大きさと業務の達成度で評価する「業績給」の3つから構成されています。
後述する属人給に比べ、看護師さんの頑張りや成果を評価してくれる部分で、モチベーション向上のためには欠かせません。
最大の特徴は、自身の頑張りや貢献度によって賃上げを実現できる点です。
・属人給
いわゆる年功序列の考えに基づくのが属人給です。
「年功給」とも呼ばれるこの仕組みは、看護師さんが安心して働き続けられるように設けられています。
一般的に年齢が上がるとともに出産や育児、介護などにかかる費用は上がっていきます。
それをカバーするために、年齢や勤続年数によって給与が上がっていく仕組みです。
ただし、属人給は自身の頑張りなどが評価されるものではなく、年齢等に応じ、あらかじめ金額が決まっているのが特徴です。
そのため、属人給を上げるためには「長く働くこと」が一つのポイントになります。
基本給は賞与や退職金などにも影響する
基本給は、超過勤務手当や賞与、退職金の算定基礎額として用いられます。
そのため、ベースとなる基本給が高い方が、生涯賃金は高くなる傾向にあります。
例えば、手取り金額が同じでも、手当部分よりも基本給が多い方が、長い目で見ると優位になるかもしれません。
もし、転職などを検討する場合には、手当部分だけでなく基本給部分を比較するようにしましょう。
看護職は2022年2月から賃上げ
2022年12月後半時点では、2022年2月から月額4,000円(1%程度)、10月からは恒久的に3%の看護職(看護師・准看護師)の賃上げが見込まれています。
財源は全額公費で賄うとされていますが、その後は診療報酬の引き上げにより賄う可能性もあるようです。
まだまだ賃上げについての詳細は決まっていない段階ですので、ぜひ今後も看護師さんの賃上げに関するニュースを定期的にチェックしてみてください。
【参考】
・日本看護協会 看護職の働き方改革の推進