日々忙しく勤務している看護師さんの中でも、どんどん成長し大きな目標を達成していく人がいます。そんな人を見て「どうしてあの人はあんなに生き生きしているのだろう?」と感じたことはありませんか?
もしかしたらその秘密は、「自己効力感」にあるかもしれません。
そこで今回は、自己効力感とは何かを解説した上で、そのメリットや身に付けるための方法を紹介します。
大きな目標がある方、毎日生き生きと勤務をしたい方は、ぜひこの記事を参考に「自己効力感」について理解を深めてみてください。
自己効力感とは?
自己効力感とは、カナダの心理学者アルバート・バンデューラが提唱した概念の一つです。
英語では「セルフ エフィカシー(self-efficacy)」と表現され、人が今置かれている状況下で必要な行動を見極めて業務を遂行できる、と認知する自分の”可能性”や”自信”のことを指します。
一言で言えば、目標に対して「私ならできる!」と思える感覚のことです。
例えば、看護師さんが「認定看護師」や「専門看護師」の資格取得を目指しているとします。
その時、「私なんかじゃ合格できないだろうな」と考えているのは自己効力感が低い状態、反対に「絶対合格できる!」と考えているのは自己効力感が高い状態です。
自己効力感を高めるメリット
では、この自己効力感を高めると、どのようなメリットがあるのでしょう。その一つが、「自己効力感が高い人ほど、実際にその目標を達成しやすい」ということ。
先程の資格取得の例で考えると、「絶対合格できる!」と考える人は、「毎日〜時から〜時までは勉強の時間にする」など、目標達成に向けた積極的な行動を取る傾向にあります。
つまり自己肯定感が強い人は、コミット力があるとも言い換えられるかもしれません。
自己効力感を高めることで、目標が達成しやすくなるだけではなく「その過程で起きるトラブルを上手く乗り越えられる」「自分の感情をコントロールしやすくなる」「自分の能力やスキルを高められる」など、あらゆるメリットを享受できます。
これは、病院で働く看護師さんにだけ当てはまるものではありません。例えば、患者さんには「病気を乗り越える」という目標があります。
看護師さんが自己効力感について学ぶことで、患者さんのメンタルケアやコミュニケーションにもきっと役立つはずです。
自己効力感を高める方法
ここからは、実際に自己効力感を高めるための3つのポイントを紹介します。
日々の勤務の中で、取り入れられそうなものから実践してみてください。
過去の達成経験をリストアップしてみる
自己効力感が低い人は「自分なんて……」「私には無理」など、ものごとをネガティブに捉えがちです。
そのような方は、自分の過去を振り返り「達成できたこと」を紙に書き出してみましょう。
どんなに些細なことでも「できた!」と思えるものはすべてリストアップしてみてください。
そうすることにより、自分ができたことがたくさんあることに驚かされるはずです。
他人からの指摘を気にしすぎない
例えば、職場で「どうしてこんなこともできないの?」と言われたとします。あなたはその時、どのように感じるでしょうか?
「なんてダメな人間なんだろう」と落ち込んでしまう人も少なくないでしょう。
たしかに、反省すべき点はしっかりと受け止める必要はあります。
しかし、その言葉は「それ以上でもそれ以下でもない」ことに気付きましょう。
つまり、何かのミスを指摘されただけで、自分の存在自体を否定されているわけではないということです。
他人から何かを指摘された時は、決して開き直るという意味ではなく「他の部分はできている。大丈夫」「期待されているからこそ指摘してくれたんだ」と考えるようにしてみてください。
大きな目標を小さなステップに分ける
自己効力感を高めるには、「達成した経験」を数多く体験することも重要です。
そのため、大きな目標がある場合には、それを達成するための手順を”小さなステップ”に細かく分け、できるだけ「達成できた!」という感覚を得られるようにしましょう。
それらを積み重ねていくことで自己効力感が高まり、「大きな目標でもいつの間にか達成できていた」という状態を作り出すことができます。
今回は自己効力感について解説してきました。
今までこの概念を知らなかった看護師さんは、「難しそう」と感じるかもしれません。
しかし、紹介した3つの方法は今からすぐに実践できる簡単なものばかりです。
興味を持った方は、ぜひ今回紹介した方法を試して、変化を体感してみてください。