免疫強化にも効果的!看護師さんが覚えておきたい「よく噛むこと」のメリット

免疫力低下に悩む女性

毎日の食事で、当然のように行っている“噛む”動作。幼いころ、「よく噛んでゆっくり食べましょう」と言われた記憶がある方も少なくないでしょう。
実は最近、よく噛んで食べることは体の健康維持に良い影響をもたらすことが分かってきています。

そこで今回は、「よく噛むこと」のメリットを紹介します。
普段から当たり前のように行っている“噛む”動作を、改めて意識するきっかけにしてみてください。

“噛むこと”はなぜ大事なの?

医療現場で働く看護師さんは、特定健診の質問票に「咀嚼」に関する問いが加わったことをご存じかと思います。
では、“噛むこと”に対する意識が年々高まっているのは、なぜなのでしょうか。

まずは、噛むことの重要性について理解を深めておきましょう。

噛むことは全身の健康に大きく影響する

ここ数年の研究で、“よく噛むこと”は、生活習慣病や肥満、口内トラブル、認知症などを予防する働きがあることが分かってきました。

厚生労働省は「歯科保健と食育のあり方に関する検討会(※1)」が提唱する“噛ミング30運動”を推奨しており、一口30回以上噛むことを目指すよう、提言しています。
よく噛むことの習慣化は、将来の健康維持にも役立つため、普段から積極的に取り組むことが大切です

(※1)歯科保健と食育の在り方に関する検討会報告書
https://www.mhlw.go.jp/shingi/2009/07/dl/s0713-10a.pdf

“噛むこと“がもたらす4つのメリット

咀嚼する女性

では、しっかりと咀嚼運動をすることには、どのような効果があるのでしょうか。
ここからは、噛むことがもたらす4つのメリットを紹介します。

免疫力アップ効果

よく噛むことは唾液の分泌量増加を促すため、免疫力の向上に効果的です
唾液には、ウイルスや細菌の増殖抑制作用や殺菌作用など、体の免疫に関わる重要な働きがあります。

つまり、噛む動作によって唾液を十分に分泌させることは、体内に侵入しようとするウイルスや病原菌の撃退に繋がるということです。

肥満予防

肥満予防のためにも、咀嚼回数を増やしましょう。
食べ物を口に入れてかみ砕く時、脳内には“神経ヒスタミン”という物質が分泌されます。

神経ヒスタミンの役割は、満腹中枢を刺激して、脳に「お腹がいっぱいだ」という信号を送ること。
要するに、よく噛んで神経ヒスタミンの分泌を促すことは、食べ過ぎ防止に繋がります

速食いと肥満の関係 -食べ物をよく「噛むこと」「噛めること」 厚生労働省
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/teeth/h-10-002.html

歯の病気予防

よく噛んで唾液の分泌量を増やすことは、虫歯や歯周病の予防にも有効です
咀嚼運動は口腔内の唾液腺を刺激して、唾液の分泌を促します。
唾液の働きは、口の中の汚れを洗い流す自浄作用や口内の菌やウイルスを殺菌する抗菌作用に加え、虫歯によって溶けかけた歯を修復する再石灰化作用など様々です。
つまり、唾液を増加させることは、口内の健康を守ることに直結します。

脳の活性化

脳の活性化を促すためにも、咀嚼運動は欠かせません。
よく噛んで食事をすると、味覚や食感、嗅覚や聴覚などの大量の感覚情報が脳に送られます

その結果、脳内の血流が増加して、脳の神経活動が活発になります。
スポーツ選手が試合中にガムを噛んでいるのは、噛むことで瞬間的な集中力を高めるためと言えるでしょう。

つまり、噛む動作は、脳の広い範囲を使った運動の一つ。
判断力や注意力、記憶力の維持などに重要な役割を果たしていると言えます。

【参考】食べ方からの食育の展開の基本 -日本歯科医師会-
https://www.jda.or.jp/park/relation/syokuiku_02.html

噛む回数を増やすためのポイント

これら4つの効果を高めるためには、「噛む回数を効率的に増やすこと」が大切です。
食事を摂る際に、以下のポイントを意識してみてください。

一回ごとに箸を置く

口に食べ物を入れたら、30回噛み終わるまで箸を置くと良いでしょう。
一旦箸を置く動作を増やすことで、咀嚼運動をする時間を意図的に確保します

お茶や水で流し込まない

よく噛むと唾液がたくさん分泌されるため、飲み物を必要とせずに、食事が飲み込めます。
流し込み食べを防ぐためにも、水分は食事の前か後に飲むことを心掛けましょう

「ながら食べ」を避ける

咀嚼回数を増やすためには、食事に集中することが大切です
スマホや雑誌などを見ながら食べる「ながら食べ」は、食材を噛むことに集中できず、いつの間にか飲み込んでしまうケースが多いため、避けた方が良いでしょう。

噛みごたえのある食材やメニューを増やす

食材を大きめに切ったり、少し硬めに調理したりすると、噛む回数を自然に増やせます
また、良く味わってから飲み込む癖を付けるために、味付けは薄めにすると良いでしょう。