看護師さんの夜勤専従という働き方は、高収入で昼の時間を活用できる一方、心身への負担が大きくなるリスクもあります。
そこで今回は、夜勤専従として安心して長く働くために知っておきたいポイントを、法律やガイドラインの観点も踏まえて解説します。
夜勤専従の働き方にはリスクがある?
夜勤専従はメリットの多い働き方ですが、職場選びを誤ると心身への負担が蓄積しやすい面もあります。リスクとメリットの両方を把握した上で、自分に合った職場を見極めることが大切です。
看護師さんが夜勤専従で働くリスク
夜勤専従で働く際には、以下のようなリスクが考えられます。
・自律神経の乱れ、睡眠の質の低下
昼夜逆転の生活が続くと、慣れないうちは自律神経が乱れやすく、慢性的な疲労につながる場合があります。
・家族、友人との生活リズムのずれ
一般的な生活リズムとのギャップから、家族や友人とのプライベートの予定が合わせにくくなる場合があります。
・業務内容の偏り
夜勤の業務では、巡回・点滴管理・ナースコール対応がメインとなることが多く、日勤における処置や検査といった多様な業務を経験しにくい環境です。スキルアップを目指す看護師さんにとっては物足りなさを感じることもあるかもしれません。
・一人あたりの業務負担が増えやすい
夜勤は日勤よりもスタッフの数が少なく、急変対応や判断を一人で担う場面も出てきます。仮眠・休憩が十分に取れない職場では、さらに負担が重くなります。
夜勤専従で働く際に知っておきたい上限時間
労働基準法では、夜勤専従の仕事について回数制限などは設けられていません。しかし、日本看護協会は、夜勤専従者の夜勤時間数は月144時間程度が上限という考えを示しています。
この144時間は、かつて診療報酬上の加算要件として設けられていた基準で、現在は廃止されていますが、144時間を大幅に超える労働は、疲労の蓄積や医療事故のリスクを高めることから、日本看護協会では引き続き夜勤の上限時間の目安として推奨しています。求人を確認する際は、月の夜勤回数と総勤務時間が144時間の目安に収まっているかをチェックしましょう。
看護師さんが夜勤専従で働くメリット
リスクがある一方で、夜勤専従ならではのメリットも多くあります。
・高収入を目指しやすい
深夜割増賃金(22時~翌5時は25%以上)と夜勤手当が加算されるため、日勤より高い水準の収入が期待できます。首都圏の夜勤専従常勤は、月給30~40万円前後が相場とされています。
・少ない勤務日数でしっかり稼げる
1回の夜勤が長時間になる分、月の出勤日数を少なく抑えやすく、プライベートの時間も確保しやすいと言えます。
・日中の時間を活用できる
夜勤専従は、平日の日中に自由な時間を確保しやすい働き方です。子どもの学校行事への参加や介護との両立はもちろん、副業や資格取得の勉強、趣味の活動など、自分の時間を確保しやすくなります。
・生活リズムが安定しやすい
日勤・夜勤を繰り返す交代制とは異なり、夜勤に特化することで、慣れれば生活リズムが一定に保ちやすい面もあります。
・人間関係がシンプルになりやすい
夜勤は関わるスタッフの人数が少ないため、職場の人間関係の複雑さを感じにくいという声もあります。
夜勤専従看護師に関するFAQ
Q. 夜勤専従看護師とはどんな働き方?
A. 日勤ではなく夜勤を中心に勤務する働き方です。常勤と非常勤の雇用形態があり、病棟・介護施設・クリニックなど幅広い職場で求人があります。
Q. 夜勤専従看護師のメリットは?
A. 夜勤手当や深夜割増により、日勤より高収入を目指しやすいことが最大のメリットです。ただし、求人は給与の高さだけで判断せず、月の勤務回数・休憩・仮眠の取りやすさも合わせて確認することが大切です。
Q. 夜勤専従看護師の勤務時間に上限はある?
A. 労働基準法上、夜勤専従の働き方に特別な回数制限はありません。ただし、日本看護協会は、夜勤専従者の夜勤時間数について月144時間程度の上限が必要という考えを示しています。求人を見る際は、月の夜勤回数と総勤務時間を必ず確認しましょう。
参考:「日本看護協会|労働に関するよくあるご質問
夜勤専従の仕事を続けるためのポイント
夜勤専従として長く安定して働くためには、契約内容の確認が欠かせません。2024年4月から労働条件明示のルールが改正され、有期労働契約を締結・更新する際には「更新上限の有無と内容」を明示することが義務化されました。
また、通算5年を超えて契約を更新した場合に発生する「無期転換申込権」も、申し込みの可否や無期転換後の労働条件などが明示されるようになっています。求人や契約書では、以下の点を必ず確認しましょう。
・契約期間の定めはあるか
・契約更新はあるか
・更新回数や通算契約期間の上限はあるか
給与が高く見える求人でも、短期契約や更新上限がある場合は働き続けられる期間に限りがあります。「長く続けたいのに続けられない」という事態を防ぐためにも、契約形態をしっかり把握した上で職場を選ぶことが大切です。
厚生労働省熊本労働局|令和6年4月から労働条件明示のルールが変わります。
https://jsite.mhlw.go.jp/kumamoto-roudoukyoku/newpage_00847.html





