使い方は難しい?施設ごとの人工呼吸器の違いについて

人工呼吸器をつける患者

ダブルワークで夜勤バイトを検討中の看護師さんの中には、人工呼吸器のように生命維持を司る機械の操作に不安を覚える方も少なくありません。
スタッフが少ない夜勤現場で、もしも機器にトラブルがあれば、患者さんの命に関わるため、特に広範囲で使われる人工呼吸器については、トラブル対応を知っておくと安心です

そこで今回は、病棟や在宅療養で使われる人工呼吸器の種類と、アラームが鳴った場合の対処法について解説します。

人工呼吸にはどんな種類がある?

様々な人工呼吸器

医療現場で使われる人工呼吸器には、大きく分けて「マスク式」「在宅人工呼吸器」「侵襲的陽圧式人工呼吸器(一般的な人工呼吸器)」などがあります。
それぞれの人工呼吸器の特徴を見ていきましょう

マスク式の人工呼吸器とは

マスク式の人工呼吸器は、マスクの形状により、鼻のみを覆うタイプ、鼻と口を覆うタイプ、顔全体を覆うタイプなどがあり、医療施設から在宅まで幅広い用途で使われます。
「NPPV(non-invasive positive pressure ventilation:非侵襲的陽圧換気)」とも呼ばれ、気管内挿管や気管切開をすることなく利用できるため、容易かつ早期に人工呼吸を開始でき、合併症も少ないメリットがあります。

在宅人工呼吸器とは

在宅人工呼吸器は、肺や心臓、筋肉・神経系の病気の患者さんに対して呼吸補助が必要な際に使われます。
在宅人工呼吸器は、マスク式などのNPPVの他に、「TPPV(Tracheostomy Positive Pressure Ventilation:気管切開下間欠的陽圧換気)」も用いられており、こちらは手術によって気管内に「気管カニューレ」を挿管し、人工呼吸器をつなげて使用します。

在宅人工呼吸器の場合は、「操作が簡便」「医療用ガスを必要としない」「バッテリー容量が強化されている」といった在宅での利用に適した機種が使われます。

侵襲的陽圧式人工呼吸器とは

侵襲的陽圧式人工呼吸器は、病棟などで一般に使われている人工呼吸器の種類です。
患者さんの気管に気管チューブや気管切開チューブを挿管し、設定した換気様式で医療用ガス(酸素や圧縮空気)を送ります。
人工呼吸器本体のほかに、モニタ・ディスプレイや加湿加温器、呼吸回路を組み合わせて使用します。

人工呼吸器の操作は難しい?

それぞれの人工呼吸器は、患者さんの全身状態はもちろん、用途や管理する側の状況に合わせて選択されます。
「使ったことのない機種で操作に慣れていない」「アラームがなった場合の対処法がわからない」等、不安がある場合は、しっかりレクチャーを受けた上で、マニュアルの場所とトラブル時の対応を押さえておきましょう

人工呼吸器のアラームが鳴ったときの対処法は?

人工呼吸器は、患者さんの呼吸に異常を検知するとアラームが鳴るようになっています。
アラームが鳴った場合は、それが緊急性の高いものかそうでないかを判断できるようにしておきましょう。

人工呼吸器のアラームには、大きく分けて「人工呼吸器本体のトラブル」と、「本体と患者さんをつなぐ接続回路のトラブル」「患者さん自身のトラブル」の大きく三つに分かれます

まず患者さんのバイタルをチェックし、SpO2(酸素飽和度)が安定していればアラームの内容を確認して対応します。
例えば、医療ガスのガス圧低下や、加湿加温機のゆるみなど、よくあるアラーム原因をチェックした上で、呼吸器の状態が改善し、以後もアラームが鳴らなければ様子見をしましょう。
一通りのチェックをしても異常が見つからない場合や、対処後もアラームが改善しない場合は医師に連絡します。

一方、SpO2が低下していた場合は、すぐにスタッフコールやドクターコールをして緊急措置を行います。
マニュアルを参考に手動式蘇生器で分離換気を行い、その後のSpO2の推移(上昇、下降)によって、患者さんの状態チェックや人工呼吸器の交換などを行うようにしましょう。

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