看護師さんが夜勤専従で働く場合、日本看護協会や厚生労働省が推奨する労働時間と夜勤回数について知っておくことが大切です。「144時間」と「回数」は、いずれも看護師さんが夜勤現場で安全に長く働くための重要ワード。
今回は、ガイドラインで定められた夜勤専従の働き方について解説します。
夜勤専従看護師の「144時間」の考え方

144時間とは、かつて診療報酬上の加算要件として夜勤専従の看護師さんに設けられていた「月あたりの勤務時間」を指します。現在は廃止されていますが、日本看護協会では引き続き、月144時間程度を勤務の上限として推奨しています。
これは、144時間を大幅に超える労働が、看護師さんの疲労や医療事故のリスクを高めるためです。単に給与や待遇面だけではなく、ご自身の健康と安全を守るための”天井”として144時間を目安にしましょう。
求人を見る際は、月間の夜勤時間が144時間前後に収まっているか、超過する場合はどのような配慮がなされているかを確認することが大切です。
夜勤専従看護師さんの「回数」(日本看護協会ガイドラインより)
日本看護協会が発行する「看護職の夜勤・交代制勤務ガイドライン」では、夜勤の回数についても具体的な推奨基準が提示されています。
看護師さんの月あたりの夜勤回数の目安は?
3交替勤務の現場の場合、夜勤は月8回以内が推奨されています。2交替勤務やその他の勤務形態では、1回あたりの労働時間が異なるため、総労働時間に応じて回数を調整する考え方が示されているため、いずれもチェックしておきましょう。
夜勤間のインターバルの重要性
さらに意識しておきたいのが、連続夜勤の制限です。ガイドラインでは連続夜勤は2回までとし、夜勤後には原則として24時間以上の休息を確保することを推奨しています。
2連続夜勤の後は48時間以上の休息が必要とされており、これは身体への負担を軽減して十分に回復するための必要時間と捉えておきましょう。
夜勤専従の看護師さんの求人チェックポイント
夜勤専従の求人を選ぶ際は、以下のポイントを必ず確認しましょう。求人情報だけでなく、コーディネータがいる場合や面接・職場見学が可能な場合は、実際の運用状況を質問するのがおすすめです。
雇用契約・就業規則で夜勤回数が明記されているか
夜勤回数の上限、連続夜勤は2回まで、といった基準が明文化されているかを確認します。口頭説明のみではなく書面で確認できることも重要です。
夜勤のインターバルが適切に運用されているか
夜勤明けに24時間以上(2連続後は48時間以上)の休息を実際に取れているか、現場の実態を聞いてみましょう。
仮眠時間は確保されているか
夜勤中の仮眠が勤務時間内で確保されているか、仮眠室などの環境が整っているかも重要なポイントです。仮眠を取れない夜勤は身体への負担が大きくなります。
夜勤の看護師人数と補助者の配置
夜勤時間帯の看護師配置人数や、看護補助者の有無も確認しましょう。十分な人員配置があれば、患者さんの急変やスタッフの急な欠勤にも対応しやすく、一人あたりの負担が軽減されます。
夜勤専従の仕事の探し方
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