精神科病棟での勤務に対し、みなさんはどのようなイメージをお持ちでしょうか。
精神科病棟での勤務経験がない看護師さんにとっては、夜勤ともなるとより想像がつきづらいかもしれません。
そこで今回は、精神科病棟での業務は一般病棟と何が違うのか、やりがいや大変さはどういったところにあるのかを紹介します。
少しでも精神科病棟での夜間勤務に興味を持っている方は、参考にしてください。
精神科病棟での夜勤看護師の業務内容は?
精神科病棟での基本業務は「夜間徘徊する患者さんの付き添い」「急性期患者で暴れる方への対応」「合併症患者の医療行為(経管、胃ろう、吸引、点滴管理)」「介護業務(オムツの交換、排泄ケア)」などがあります。
医療行為自体は一般病棟と比べ少ないですが、身体的な疾患をもつ患者さんと違い、動ける患者さんが多いからこそ、夜間の看護師さんによる見守りが重要になります。
精神科病棟の3つのタイプ
精神科病棟には、統合失調症、認知症、うつ病の患者さんのほか、合併症状(精神の症状以外に内科系疾患も合わせている場合)を持つ患者さんなどがいらっしゃいます。
主な病棟タイプは、「開放病棟」「閉鎖病棟」「認知症病棟」の3つです。
・開放病棟
開放病棟は、基本的に一般の病棟と同じかたちで自由に院内を動ける病棟。症状が軽い方や、周りに危害を加えない方が入院しています。
多床室がメインで、認知症や統合失調症の患者が多く入院しています。
・閉鎖病棟
一方、閉鎖病棟は、周りに危害を与えてしまう方などを、他の患者さん、職員のところへ行かない様、部屋を常に施錠している病棟です。
暴れる患者さんに対しては拘束(身動きを取れなくする)行為を行うこともあります。
その場合は、「隔離室」や「特別病棟」という名称になります。
・認知症病棟
認知症病棟は、認知症と診断された方で、自宅や施設での介護が難しい状況にある患者さんが治療とケアを受けるための病棟です。
認知症の症状としては、妄想や幻覚、夜間せん妄などの精神的症状、徘徊、異食、不眠などの行動障害が挙げられます。
認知症病棟では、それらの治療や看護に加え、退院後の生活へ向けた相談も行います。
他病棟との違いは?精神科病棟ならではの大変さ
そういった情報を目にすると、精神科病棟で勤務することに抵抗を持ってしまう方もいるかもしれません。
実際に、患者さんの見た目からは症状の良し悪しがわかりづらく、戸惑うシーンもあるでしょう。
そこで大切になるのが、患者さんのちょっとした変化に気づける「観察力」を身につけることです。
変化に気付き、その都度適切に対応していくことが求められます。
一般病棟とは違った精神的なハードさがあるからこそ、看護師同士で普段から意見交換をし、関係を厚くしておくことが大切です。
精神科病棟ならではのやりがい
精神科病棟には、長期で入院される患者さんもいらっしゃるため、一人の患者さんと長く向き合う「粘り強さ」も必要です。
反対に、患者さんのこれまでの人生や、今後にいっそう深く向き合えるのは、精神科病棟勤務ならではの大きなやりがい。
心理学に興味があり、精神科勤務での勤務を希望する看護師さんも少なくありません。
同じ看護職でも精神科病棟となると、業務内容もガラリと変わります。
一般病棟等とはまた違うハードな面がある一方で、命に関わる急変が少ないため残業時間も少ない傾向にある点は、メリットと言えるでしょう。
患者さんが暴れてしまったときの恐怖もあるかもしれませんが、近年の院内暴力の発生は内科系を含むすべての診療科でも起こっており、一概に「精神科が多い」とは言えないようです(※)。
※日本看護協会 医療現場での暴力対策 暴力発生状況
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