看護師さんが転職先やアルバイト先を検討する際、「サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)を選択肢に含めるべきか」を迷うこともあるでしょう。サ高住は病院での勤務と異なる点があるものの、入居者と深く関わり合い、そこでしか味わえないやりがいがあるのも事実です。
そこで今回は、サービス付き高齢者向け住宅とはどのような施設なのかを解説した上で、そこで働く看護師さんの役割を紹介します。
サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)とは
サ高住は「サービス付き高齢者向け住宅」の略で、地域包括ケアシステム拡充の一環として創設された施設です。
厚生労働省の定める「特定施設」に指定されている施設(介護型)と、民間事業者が運営する施設(一般型)の2種類があります。
一般的なサービス付き高齢者向け住宅は、入居者の自由度が高く「外部の介護サービスが受けられる住居」という点が、サ高住の特徴です。
そのため、住宅部分は建物賃貸借契約を結び、生活支援サービスは、別途サービス利用契約を結ぶのが一般的です。
介護型のサービス付き高齢者向け住宅では、施設内に常駐するスタッフから介護サービスや生活支援サポートを受けることができます。
介護付き有料老人ホームと同様のサービスが提供されるため、要介護度の重い方にも対応しており、介護度が上がり有料老人ホームからサ高住に入居するケースもあるようです。
看護師さんのサ高住での業務内容は?
サ高住は、介護施設ではなく「高齢者向けの賃貸住宅」であるため、病院のような働き方とは少し異なる点があります。
1. 施設によって医療行為の程度は異なる
看護師さんは、入居者の日常的な健康管理、状態把握が中心となり、身の回りのケアやバイタルチェック、薬の配薬などを行うことが多いようです。ただし、施設によっては要介護度の重い方の対応をすることもあるため、スキルや経験は必要となります。
2. 健康相談などのサポートを行うことも
サ高住では、365日、生活相談員を日中に常駐させることが義務付けられています。それに伴い、看護師が24時間常駐し、日常の健康相談や協力医との連携によって訪問診療なども行われます。
看護師としてのスキルはもちろん、入居者の方や家族とのコミュニケーション能力や臨機応変に対応する力が重視される職場とも言えるでしょう。
業務内容は施設により大きく異なることも
サ高住の多くは民間事業者が運営を行っていることもあり、提供しているサービスは、施設ごとに大きく異なります。
訪問看護やデイサービスなどの介護保険サービス事業所が併設されているところも多く、介護サービス提供にも対応しています。また、万が一の急変時には看取りのケアが必要になります。
看護師さんが勤務先の候補にする場合には、入念に業務内容を確認しておくことが重要です。
勤務してから「思っていた業務と違う」というミスマッチが起らないよう、利用者にどのようなサービスを提供しているのか、要介護度のレベル、認知症の方の受け入れなど施設ごとの特徴を把握しておくことが必要です。
「自分だけでは業務内容を把握するのは難しい」という方は、看護師専門のコーディネーターを通じて、仕事探しをすることをおすすめします。
コーディネーターを活用すれば、施設の雰囲気や詳しい業務内容を把握できる上、事前の職場見学も可能です。
コーディネーターに業務内容をしっかりと確認し、不安な点を解消しておきましょう。