看護師さんが覚えておきたい2023年10月からの「ふるさと納税」変更点は?

ふるさと納税の疑問イラスト

自治体に寄付をすることで、さまざまな返礼品がもらえる「ふるさと納税」。
2008年からスタートし、2022年度には過去最大の寄附金額を記録するほど人気の高い制度となっています。

2023年10月から、このふるさと納税のルールが一部変更されたのをご存知でしょうか?
これからふるさと納税制度を利用する方は、従来との変更点を押さえておくと、自治体や返礼品を選ぶ際の参考になるはずです。

そこで今回は、10月からのふるさと納税の主な変更点について解説します。

2023年10月から変更になった「ふるさと納税」のポイントは?

ふるさと納税を受け取る女性

2023年10月からのふるさと納税は、大きく3つの点で変更がありました。
それぞれの変更点を詳しく見ていくために、まずは「ふるさと納税」制度の内容について見てみましょう。

そもそも「ふるさと納税」とはどんな制度?

ふるさと納税は、一年間の寄付額が所得から控除される「寄附金控除」の一種です

ふるさと納税を実施している地方自治体の中から、自分で選んだ自治体に寄付をすると、自己負担額2,000円を超えた分の住民税と所得税が控除され、さらに寄付先の自治体から「返礼品」を受け取ることができます。

本来は住民票のある地方自治体に納税する住民税と所得税を、別エリアの自治体に寄付することで返礼品を受け取り、納税時期をずらすこともできるのが、ふるさと納税の特徴と言えるでしょう。

変更点その1:経費の厳格化で返礼品の内容が減量・引き下げに

このように、ふるさと納税の大きな魅力である返礼品ですが、寄付金を集めるために、自治体のあいだで返礼品の競争が激化し、問題となりました。

自治体によっては返礼品の調達経費が財政を圧迫するケースが見られるようになったため、10月からのルール変更では、返礼品の調達費や送料、ふるさと納税サイトに支払う仲介手数料などを、寄附額の五割以下に抑えるよう定められています

変更点その2:肉や米は原材料の産地・加工地が同一自治体の場合のみ

また、肉や米など人気のある返礼品は、外国などの別地域から仕入れたものを、自治体の中で加工し、返礼品とするケースが増えていました。

そのため、10月からの新ルールでは、肉と米は産地・加工地ともに同一の都道府県でないと返礼品として申請できないよう変更されています。

変更点その3:地元産の返礼品が全体価格の七割を占める必要がある

さらに、返礼品は地元産の物品が価格の七割以上を占めるよう定めるルールも新たに作られています

これは、電化製品や宝石など他地域で作られた高額な返礼品と、地元産の低価格の返礼品をセットにするケースなどが見られたためで、10月以降のふるさと納税のルールは、これらを返礼品として認めないよう厳格化されています。

寄付のしすぎもNG。ふるさと納税のしくみを知って賢く節税しよう

このように、10月からのふるさと納税では、従来よりも地産の返礼品を適切な価格で寄附者に贈るよう、ルールが変更されています。
寄付する側にとっては、返礼品内容が減量や変更となる面もありますが、寄付によって地方の財政を豊かにする、ふるさと納税の本来の目的に沿った変更と言えるでしょう。

なお、ふるさと納税の寄付額は、前年の所得額を元に決まる住民税・所得税を一部先払いするものなので、本来の税金より多い金額を寄付してしまうと、返礼品をもらっても、支出のほうが多くなってしまいます。

前年の収入が今年も同程度であれば、寄付額も大きな変化がありませんが、転職や退職、育休・介護休暇などで、去年よりも所得が低くなる場合は、寄付額の上限に注意すると良いでしょう。
ふるさと納税のしくみやルールを知って、ご自身の最適な寄附額を把握し、お得に制度を活用しましょう。

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