看護師さんが覚えておきたい「第一印象」の重要性

マスクの看護師と患者さん

春は、就職や部署異動などで新しい人との出会いが増える季節。
看護師さんの場合、新人さんが入ってきたり、チームメンバーが入れ替わったりすることも増えるでしょう。

チームワークが必要不可欠な看護師さんの仕事では、同僚となる人や先生と良好な関係を築いておくことが大切です。
そこでポイントになるのが「第一印象」です。

今回は、心理学に基づいた第一印象の重要性を解説した上で、第一印象を良くするための4つのポイントを紹介します。
職場環境に変化がないという看護師さんも、新しく担当になった患者さんや、そのご家族への対応に応用してみてください。

第一印象にまつわる心理学「初頭効果」と「メラビアンの法則」

では、人間関係を構築していく上で、なぜ第一印象が大切なのでしょうか。それには2つのある心理現象が関係しています。

初頭効果とは?

一つ目は、「初頭効果」と呼ばれる現象。
これは、「はじめて出会った時の印象がその後もその人の評価に影響を及ぼす」というものです。

1946年にポーランドの心理学者ソロモン・アッシュが提唱した心理効果で、人の第一印象は「出会って6~7秒で決まる」と言います。
その最初の数秒で得た印象は、なんと約半年間ほど相手の記憶に残り続けるそうです。

メラビアンの法則とは?

二つ目は、「メラビアンの法則」。
これは話し手が聞き手に与える影響を、研究と実験によって数値化したもので、1971年にアメリカの心理学者アルバート・メラビアンによって発表されました。
同氏によると、人間が他人とコミュニケーションを取るときの判断材料の割合は「視覚情報55%、聴覚情報38%、話の内容7%」
コミュニケーションを取る上で、非言語情報がどれほど人の印象を左右するのかを示した内容です。

この2つの法則から、人は出会ってから数秒の間に得た非言語情報によって、その後の印象を決めてしまうことが分かります。

第一印象を良くする4つのポイント

カルテを持つ看護師

では、第一印象を良くするために、具体的にどのようなポイントに気を付ければよいのでしょうか。
ここからは看護師さんがすぐに実践できる4つのポイントを紹介します。

1.清潔感のある身だしなみ

看護師さんの身だしなみでもっとも重要なのは「清潔感」です。
だらしない身だしなみは相手に悪い印象を与えてしまい、信頼を失うきっかけにもなりかねません。
具体的には、以下のポイントをチェックしてみてください。

【身だしなみのポイント】
・髪の毛はすっきりと束ね、お辞儀をした時に落ちてくるおくれ毛は留めましょう。
・派手な化粧は避け、健康的なナチュラルメイクにしましょう。
・汚れやしわのない制服を着用しましょう。
・眼鏡や時計などの装飾品は、シンプルなデザインのものを選びましょう。
・爪は短く切り揃え、やすりで丸くしておきましょう。

2.相手に安心感を与える笑顔

初対面の相手とコミュニケーションを取るときに大切なのが、優しい笑顔で対応すること
相手に安心感を与える笑顔は「私はあなたを受け入れようとしている」という意思表示になります。
マスクをしていても分かるように、特に目元を意識した表情づくりを心掛けましょう。

3.正しい姿勢

美しい立ち姿や歩き方は、周囲にハツラツとして責任感のある印象を与えます
全身を横から見た時に、耳や肩、腰骨、くるぶしの4点が一直線に並んでいるのが基本の立ち姿。
肩の力を抜いて、頭のてっぺんから引っ張られているようなイメージを持つのがポイントです。

歩く時はかかとから一歩踏み出し、その足に重心をのせていきます。
着地した方の脚のひざや背筋をまっすぐ伸ばすと、凛として美しく見えます。

4.相手の目を見ながら落ち着いて話す

初対面の相手と話すときは、相手の目を見ながら落ち着いて話すことを心掛けましょう。
人は緊張していると焦ってしまい、つい早口になったり小声になったりしてしまいます。
相手に好印象を与えるには、顔を上げて相手の目を見ながら、ゆっくりと話すことを意識してみてください。

また、お腹からしっかり声を出すと、明るい印象を与えることができます。
真摯でまっすぐな第一印象が記憶に残ることは、きっとその後の良いコミュニケーションにも繋がるでしょう。

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