看護業務の中でも申し送りは、「他の人からの突っ込みが怖い」「大勢の前で話すので緊張する」と苦手意識を持つ看護師さんが少なくありません。
申し送りの際にあがってしまう時は、緊張しないためのコツを知っておくと役立ちます。
そこで今回は、「申し送りが怖い」と悩んでいる看護師さんのために、申し送りに含めたい情報や緊張を和らげるコツについて解説します。
申し送りが怖い看護師さんはここを意識してみよう
申し送りに苦手意識がある看護師さんは、申し送りのどの部分に緊張してしまうのか、原因を探ってみましょう。
何を話せば良いかがわからなくて怖い」「他の看護師からの質問が怖い」「人前で話すことが怖い」など、それぞれの原因に応じて改善策を意識してみるのがおすすめです。
申し送りに必要な情報をリストアップする
最近では看護師の申し送りの時間を従来よりも短縮する医療機関も増えてきています。
必要な情報を書き出してどのような情報がどこまで求められているかを確認し、含める内容をメモしておきましょう。
申し送りの上手な先輩や同僚の話す内容を参考にすると上達が早くなります。
・患者の氏名
・疾患名、術式
・手術や入院をした日時
・処置内容(手術・検査など)
・結果・現在の状態
・担当医からの指示や変更の内容
・その他の申し送り事項(介助の有無や介助方法、患者の訴え、今後の手術や検査予定など)
同僚や先輩からの質問はレベルアップのチャンス
先輩や同僚から質問を受けると、頭が真っ白になってしまう、という看護師さんも多いはず。
しかし、他人からの質問は、情報不足の箇所をはっきりさせる、またとないチャンスです。
聞かれた内容をメモし、次回の申し送りに活かすようにすれば、質問されたこと自体を過度に引きずる必要はありません。
もしも自分にわからないことを聞かれた場合は、「後で報告します」と答え、きちんと調べた上で相手に報告しましょう。
わからないことに焦って憶測で答えてしまうと、自分の信用を落とす原因となってしまいます。
質問に対しては、素早く答えるよりも正確な情報を答えることが最も重要です。
申し送りの緊張を和らげるコツ
人前で話すこと自体が怖いという看護師さんも多いでしょう。
どうしても人前で上がってしまう場合は、最初から完璧にやろうと思わないことも大切です。
「上手にできないのは当たり前」と気持ちを切り替え、必要な情報を伝えることを優先させましょう。
また、申し送りの前に、以下のような動作やストレッチを試してみるのもおすすめです。
・深呼吸する:特にヨガの呼吸を意識するとリラックス効果に期待ができる
・肩まわりをほぐす:肩を上げて下げる、首を回す
・手を握って開く:末梢神経の血行を良くする
・口角を上げる:口の端を上げるだけでリラックス効果に期待できる
・ゆっくり話す:早口は緊張を高めるため、話す速度を意識的に遅くする
「申し送りは患者さんのために行うもの」と意識しよう
申し送りの際に抱く「怖い」「緊張する」といった感情は、裏を返せば、「失敗したくない」「突っ込まれたくない」「馬鹿にされたくない」「仕事ができないと思われたくない」といった自分自身のプライドや職場の人間関係に意識が囚われている状態と言えます。
しかし、申し送りとは本来、患者さん一人ひとりをチーム全体でスムーズに看護するために行なわれる業務です。
自分自身のためではなく、「患者さんのために行っている」と目的を持つことで、視野を広げ、怖さや緊張感を和らげることができます。
申し送りの苦手な看護師さんは意識してみてはいかがでしょうか。