夜勤のススメ~ナイト助産師として働く~

 助産師の国家資格を持ちながらも、様々な理由から現在未就業の助産師さんのことを「潜在助産師」と言います。潜在助産師さんの中には、1年以内に復職を考えておられる方もいますが、復職はもう望んでいないという方もいます。
しかし、産科医療現場での助産師さんの需要は高まるばかりです。日本助産師会は、2010年の時点で2 万人以上の助産師さんが不足している、と推計しています。※1


【潜在助産師の皆さま、もう一度、資格を生かして働いてみませんか?】

 でも、乳幼児や就学前のお子さんを抱えるママ看護師さんはどうすればいいのでしょうか。「夜間子どもを預かってくれる人なんていない・・・」「旦那さんは仕事で疲れているから子どもの面倒なんて見てくれない・・・」

潜在助産師さんの復職の第一歩として、ぜひ選択肢に入れていただきたいのが、夜勤バイトです。実は今、夜勤専従・夜勤バイトで活躍する「ナイト助産師」さんが、とてもタイムリーなのをご存知でしたでしょうか。

なぜ今さら夜勤なの?
潜在看護師さんの中には、結婚・妊娠・出産・育児などライフスステージの変化のために夜勤が負担となって離職された方、夜勤回数や夜勤の業務内容が負担となって離職したという方は多いと思います。それなのに、なぜ今あえて「ナイト助産師」をおすすめするのでしょうか。

ワーク・ライフ・バランスってご存知ですか?
数年前から、助産師さんを含む「看護職の方のワーク・ライフ・バランス(WLB)」が推進されてきました。また、産科医療の現場では、女性産科医師の離職防止のためのワーク・ライフ・バランスが実践されてきました。

WLB の取り組み方は、職種や現場の状況に応じて様々ですが、その一つの方法として「多様な勤務形態」を取り入れる病院が増えています。※2

◎ワーク・ライフ・バランスは略してWLBとも呼びます。その言葉通り、仕事と仕事以外の生活の調和を保つことを指します。内閣府では、平成19年からWLB憲章を掲げ、政府としてこの問題に取り組んできましたが、日本看護協会でも平成22年度から、看護職のWLB推進ワークショップ事業が各地の病院で実施されてきました。

【ナイト助産師という働き方】

 WLBで取り入れている多様な勤務形態には、夜勤免除や短時間正職員制度、ワークシェア、フレックスタイムなどがあります。その中でも、夜勤バイトは夜勤ができない助産師さんのシフトを補う勤務形態の一つとして、注目されています。

さらに、現場の産科医師不足をヘルプする意味でも、潜在助産師さんの復職は大いに歓迎されます。

ですから、夜勤専従・夜勤バイトで活躍する「ナイト助産師」さんは、年々増えていますし、今後もウェルカムなのです。

【夜勤バイトのママ看護師さんを応援する院内保育】

 東京都を例にもう少し詳しく見てみましょう。都内の病院には155の院内保育施設があり、その設置や運営については、条例・規則に基づいた基準が定められています。

東京都福祉保健局のホームページには、院内保育施設の設置目的は「都内の病院及び診療所に従事する職員のために保育施設を運営する事業について助成し、医療従事者の離職防止及び再就業を促進する」と明示されています。※6

つまり、院内保育施設は、働くママ看護師さんのためにあると言っても過言ではありませんから、これを利用しない手はありません。特に、夜勤バイトのママ看護師さんにとっては、夜間に無認可のベビーホテルを利用する場合と比較しても、メリットが断然大きいことが分かります。

【夜勤専従・夜勤バイトの魅力って?】

 しかし、ちょっと待ってください。そもそも夜勤が大変、夜勤はできない、という理由で潜在助産師になったのに、夜勤専従の「ナイト助産師」なんて働き方は続かない、と思われるかもしれません。

視点を変えてみてみると、夜勤専従・夜勤バイトのメリットは意外に大きいことが分かります。

・夜勤が辛い理由はコレ
日本看護協会が実施した「看護職の夜勤・交代制勤務等実態調査※3」によると、夜勤業務が負担となるのは、主に夜勤回数・勤務間隔・夜勤の拘束時間・夜勤時の仮眠時間などです。

例えば、夜勤回数が9回以上になると慢性的な睡眠不足に陥る割合が高くなります。また、「日勤→深夜勤」「準夜勤→日勤」など勤務間隔が狭まったり、仮眠時間が2時間未満であるとヒヤリハットの起きる確率が高くなります。さらに、夜勤の拘束時間が12時間以上になると離職を考える人の割合が増えることも明らかになっています。

・「ナイト助産師」はメリットがたくさん
しかし、夜勤専従者の場合、これらの夜勤に伴う負担はありません。例えば、夜勤回数は、月4回以上~、月6回以上~など自分で選ぶことが可能です。また、夜勤専従では、勤務間隔を気にすることはありません。そして、仮眠時間や拘束時間に関しても求人票で優先的にチェックしてから選べます。ですから、夜勤に伴うデメリットを避けることが可能なのです。

むしろ、「ナイト助産師」さんにはメリットがいっぱいです。例えば、一回の夜勤で3万~5万円の高収入、自分のスキルを十分に生かして仕事ができる充実感、社会と人への貢献からくるやりがい感、昼間の時間を家事や育児に活用できる、など得られるものは意外に大きいかもしれません。


 夜勤専従・夜勤バイトという働き方であれば、夜勤はデメリットよりもメリットのほうが多いのです。時代の流れは助産師さんの就業を応援しています。無理だと思っていた復職が「ナイト助産師」という形で果たせたという、ママさん助産師さんも多くいらっしゃいます。ぜひ、「ナイト助産師」を選択肢の一つとして考えてみてください。

→ 助産師さんの夜勤アルバイト情報「ナイト助産師」はこちら

※1日本看護協会「助産師の必要人数算出に関する提案」
※2日本看護協会「ワークライフバランス」
日本看護協会「看護職のワークライフバランスガイドブック」
※3日本看護協会「病院看護職の夜勤・交代制勤務等実態調査 概要」

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