赤ちゃんから高齢者まで 看護師が身につけておきたいタッチケアの基礎知識

赤ちゃんをタッチケアする女性の手

近年注目を集めている「タッチケア」をご存知でしょうか?”触れ合い”を大切にするタッチケアは、「新生児とそのお母さんのもの」と捉われがちですが、最近では病院や高齢者施設などの幅広い現場でタッチケアが取り入れられています。そのため、看護師さんがタッチケア を行うケースも増えているようです。

そこで今回は、「これからタッチケアを学びたい」「タッチケアを取り入れている現場で働いてみたい」と考えている看護師さんのために、タッチケアの基本を解説します。たくさんの効果が報告されているタッチケアを学び、現場で活かしてみてはいかかでしょうか。


タッチケアとは?

タッチケアは、アメリカのマイアミ大学内で設立された「タッチリサーチ研究所」のティファニー・フィールド博士が確立させたメソッドで、「人と人が触れ合うことで、きずなを深めること」をコンセプトにしています

お母さんと新生児の場合、触れ合いながら親子のきずなを深めることが本来の目的です。しかし、単に触れるだけでなくマッサージを取り入れることで、赤ちゃんの精神状態の安定やストレスホルモンの軽減も期待できることから、発達障がい児のケアなどにも用いられるケースもあります。

現在では、世界20カ国以上でタッチケアが取り入れられており、日本でも普及が進んでいます。冒頭でも触れたように、新生児とそのお母さんだけでなく、医師、看護師・助産師など医療従事者がタッチケアを行うケースも増えているようです。

タッチケアではどんな効果が期待できるの?

タッチケアは、先ほど紹介した「精神状態の安定」に加え、「身体的機能の向上」も期待できます。また、タッチケアを何週間か続けることによってストレスホルモンが減少し、寝つきがよくなったという効果も報告されています。見つめ合い声を掛けながら行うタッチケアは「赤ちゃんとのコミュニケーションの時間」でもあり、子供の成長に欠かせない大切な行為とも言えるでしょう。

他にも、タッチケアには「痛みや不安の軽減」「血圧が下がる」「イライラの軽減」など、さまざまな効果が期待されていることから、病院だけでなく介護の現場でも取り入れるケースが増えています。認知症のある高齢者はストレスホルモンがたまりやすい傾向にあり、それらが原因でさまざま問題行動に繋がると言われていますが、タッチケアを行うことで徘徊などの問題行動が軽減されることも証明されています。
自律神経を整え、免疫力や回復力の向上させる効果のあるタッチケアは小児から高齢者まで幅広く取り入れられているようです。

タッチケアのポイント

握手をする女性と老人の手

タッチケアは、”技術”以上に大切な”心構え”があります。具体的な内容を学ぶ前に、ここで紹介するポイントをチェックしておきましょう。

気持ちを込めて行う

はじめに紹介したように、タッチケアは「触れ合うことの大切さ」や「きずなを深める」ことをコンセプトとしています。そのため、「単に触れるだけ」「マッサージするだけ」の”作業”にしてはいけません。一人ひとりとじっくりとコミュニケーションを取りながら行うのがポイントです。お互いが「大切にされている」と感じることを一つの目標にしてみましょう。

短い時間でも毎日行う

また、タッチケアは「1日5分」など、短い時間でも良いので継続的に続けることが大切です。忙しい中でも、赤ちゃんや患者さんとのタッチケアの時間を確保するようにしましょう。

マッサージは正しい方法で

「なでる」「さする」など、触れ合うだけでも十分意味のあるタッチケアですが、マッサージを行う際には、正しい知識と方法を身につける必要があります

これからタッチケアを勉強してみたいという方は、タッチケアの講習会に通ってみるのもおすすめです。「日本タッチケア協会」では、指導者認定資格も用意されているため活用してみましょう。


「タッチケアを取り入れている現場に携わりたい」と考えている看護師さんは、看護師専門のコーディネーターを通して仕事を探すのもおすすめです。未経験でもタッチケアに興味のある方は、一度相談してみてはいかがでしょうか。

【参考】
日本タッチケア協会

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