看護師さんが安全に夜勤を行うためには、仮眠が欠かせません。
一方で、仮眠環境が整っていない施設や病院も少なくないため、夜勤バイトの勤務先を選ぶ際は、リラックスできる仮眠環境が用意されているかどうかを重視してみても良いでしょう。
今回は、看護師さんの仮眠環境の実態と仮眠の取り方のコツを紹介します。ぜひ参考にしてみてください。
仮眠の重要性
看護師さんの疲労の軽減や注意力の維持のためにも、夜勤中の仮眠は重要です。
また、本来であれば寝ている時間帯に活動すると、どうしても生体リズムは乱れてしまいます。
生体リズムの乱れは心身の健康に影響を及ぼすため、仮眠によって生体リズムを維持することが大切です。
看護師さんの仮眠環境実態
良質な仮眠を取るためには、整備された仮眠環境が必要です。
ここでは、看護師さんの仮眠環境の実態について見ていきましょう。
「仮眠環境が整っている状態」とは、具体的には、以下のような点が挙げられます。
・ナースコールなどで睡眠が阻害されない静かな場所
・空調や照明の調節ができる場所
・清潔な寝具があること
・しっかりと横になれる設備が整っていること
日本看護協会が2019年に実施した看護師さんの実態調査の中には、夜勤中の仮眠環境を調査する項目が含まれています。
調査結果によると、「仮眠のための個室が必要数ある」と回答した病院は20%ほど。
「仮眠専用スペースはないが横になれる場所がある」病院や施設の割合が最も高く、約40%ほどでした。
また、仮眠環境に対する看護師さんの満足度の調べでは、「満足」「やや満足」と回答した看護師さんは全体の30%ほど。
一方で「やや不満」、「不満」の回答がそれぞれ25%、20%の合計45%であるため、不満を感じている看護師さんの割合が多いという結果になっています。
上手な仮眠の取り方
では、看護師さんが職場で上手に仮眠を取るためには、どうしたら良いのでしょうか。
ここからは、効果的な仮眠を取るために知っておきたいポイントをいくつかご紹介します。
仮眠前の食事に注意
夜勤時の食事は、なるべく仮眠の3時間前までに摂るのがおすすめです。
まだ体が食べたものを消化しているタイミングで眠ってしまうと、体や脳をゆっくりと休められません。
また、消化をスムーズにするためにも、刺激の強い食べ物や脂っこいものは避けるようにしましょう。
仮眠時間に気をつける
仮眠明けにすっきりと目覚めるために、睡眠時間を管理するのが理想です。
理想とされている仮眠時間は90分。入眠までに30分掛かるとすれば、仮眠に必要な時間は2時間となります。
2交替制(16時間夜勤)時の、休憩時間は2時間ほどのため、2時間の仮眠時間を確保するのは難しいかもしれません。
ただ、90分間の睡眠サイクルを意識できれば気持ちよく目覚められます。
ストレスなく眠るためにも、仮眠前にアラームの設定を忘れないようにしましょう。
仮眠導入グッズを効果的に利用
短時間で質の良い睡眠をとるためには、安眠グッズの活用もおすすめです。
アイマスクや耳栓をつけたり、入眠前にアロマオイルの香りを楽しんだりする看護師さんもいらっしゃいます。
また、ホットアイマスクや湯たんぽなどで体を温めると体の緊張がほぐれ、自然な眠りにつきやすくなります。
仮眠後にすっきりと目覚める自分なりの方法を把握しておく
仮眠後にぼんやりとした状態で業務をしてしまっては危険です。
仮眠からすっきりと目覚めるための自分なりのスイッチとなるような行動を用意しておくようにしましょう。
歯磨きや軽いストレッチ、熱いコーヒーを飲むなどの簡単なものを試し、自分に合ったものを習慣にしてみてください。