健康のために運動を始めたものの、「なかなか長続きしない」という看護師さんも少なくないでしょう。
運動を習慣化させるためには、ウォーキングなどの「継続しやすい運動」を無理なく日常生活に取り込むことがポイントです。
そこで今回は、“歩くこと”がもたらす3つのメリットを紹介します。効果を高めるための正しい歩き方も併せてチェックしてみてください。
歩くことはなぜ大事なの?
医学の父と呼ばれる古代ギリシアの偉人ヒポクラテスは、『歩くことに勝る良薬はなし』という言葉を残しています。
はじめに、歩くことの重要性について理解を深めておきましょう。
歩くことは健康面や精神面に良い影響を与える
国土交通省の資料によると、「“歩く”という行為は、人間の基本動作であるだけではなく、健康増進・維持など健康面への効果、気分転換など精神面への効果、地域コミュニケーションの熟成など社会面への効果、環境面での効果、といった多様な局面に対して効果・効用をもたらし、影響を与える」とあります。
看護師さんにとって歩くことは、身体的な健康面だけでなく精神的な面にもメリットのある運動と言えそうです。
1日の目標歩数は8000歩
厚生労働省が発行する「健康づくりのための身体活動指針 アクティブガイド(※1)」では、18歳から64歳の男女に対し1日8,000歩に相当する身体活動を推奨しています。
しかし、令和元年に行われた調査(※2)の結果では、20歳以上の女性の1日の平均歩数は約5,800歩。
このことから、1日の目標歩数を達成するためには、歩くことを意識的に行う必要があることが分かります。
https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000002xple-att/2r9852000002xpr1.pdf
(※2)令和元年 国民健康・栄養調査結果の概要(p.26歩数の状況)-厚生労働省-
https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000687163.pdf
”歩くこと”がもたらす3つのメリット
では、“歩くこと”には具体的にどのような効果が期待できるのでしょうか。
ここからは、歩くことがもたらす3つのメリットを紹介します。
免疫力向上
歩くことは、免疫力の向上にも期待できます。
これは、ウォーキングなどの適度な有酸素運動を行うと、体内で感染したウィルスを攻撃して破壊する “ナチュラルキラー細胞”が増殖するからです。
この細胞が活発に働くと、免疫力がアップし、感染症などにかかりにくくなると言われています。
ストレス解消
歩くことは、ストレス解消にも効果的です。
ウォーキングなどのリズム運動を行うことで、ストレスを和らげたり、精神の安定を図ったりするために欠かない脳内ホルモン「セロトニン」が分泌されます。
夜勤などで生活リズムが乱れがちな看護師さんは特に、気分転換としてだけでなく、こうした科学的な理由からも散歩などの歩く行為は効果的と言えるでしょう。
ダイエット効果
歩くこと、ウォーキングは負荷の少ない有酸素運動で、体内に取り込んだ酸素を使い、糖質や脂肪を効率よく燃焼させます。
また、下半身の筋肉をよく使う全身運動でもあるため、基礎代謝の向上や、「痩せやすい体質」を目指せます。
効果を高める歩き方
これらの3つの効果を高めるためには、「正しい歩き方」を身につけることも大切です。
ただ漠然と歩くのではなく、以下の4つのポイントを意識してみてください。
1. 姿勢を正して大股で歩く
頭が上に引っ張られているイメージを持ち、背筋をスッと伸ばして真っ直ぐ立ちます。肩の力は抜き、腰が反らないように注意しましょう。
一歩踏み出す時は、普段よりも大股にすることで、エネルギーの消費量をアップさせることができます。
2. 20分以上行う
一般的に、「ウォーキングなどの有酸素運動は20分以上続けることで脂肪が燃焼される」と言われています。
ダイエットを兼ねて歩く場合は、20分以上の継続を目標にしましょう。
3. テンポの良い音楽を聴きながら歩く
テンポの良い音楽を聴きながら歩くと、心拍と呼吸、運動のリズムがうまく調和し、動きに無駄がなくなります。
気分を盛り上げる効果もあるため、ぜひ積極的に取り入れてみてください。
4. 見慣れない場所を歩く
人間は見慣れない場所を歩くと、脳内に“ドーパミン”というやる気・意欲に深く関わるホルモンが分泌されます。
仕事で行き詰っている時や、複雑な問題を解決しようとしている時は、「敢えて知らない道を散歩する」「いつもと違う道を歩いてみる」こともおすすめです。
普段歩き慣れていない場所を歩くだけで、やる気がアップするなんて良いことづくめかもしれませんね。
常勤のお仕事で行き詰まりを感じてらっしゃる看護師さんは、これを機にWワークで普段と少し違う景色の場所を歩いてみてはいかがでしょうか。