看護師は残業が多いと言われますが、その背景には患者対応や記録、申し送りなど、時間が読みづらい業務特性があります。そのため、残業代の考え方や勤務時間のルールを知っておくことは、働き方や職場選びを考えるうえで大切です。
今回は、残業の基礎知識と求人票で確認したいポイントを解説します。
看護師はなぜ残業が多くなりやすい?
看護師の残業には、記録や申し送りなど業務特有の背景があります。働き方による違いも見ていきましょう。
記録や申し送りなど、勤務時間外に業務が発生しやすい
看護師の仕事は、患者対応だけでは終わりません。勤務後の記録作業、申し送り、急変対応、カンファレンス、必要な研修など、予定外に時間が延びる場面があります。また、勤務前の情報収集を習慣としている職場もあり、実際の拘束時間が長くなりやすい傾向があります。
夜勤は日勤より残業が少ないケースもある
日勤では、勤務前の情報収集や朝礼、報告業務などで、勤務時間外の対応が発生するケースも少なくありません。一方、夜勤では、勤務前の準備業務や会議などが比較的少なく、勤務前後の対応が発生しにくい職場もあります。もちろん、引き継ぎや記録、急変対応などで勤務終了後まで業務が続く場合はありますが、全体としては日勤より残業が少ない傾向の職場もあります。
残業代の基礎知識と求人票で確認したいポイント
残業代の仕組みは勤務形態によって異なります。求人票で確認したいポイントを見ていきましょう。
夜勤専従で多い「変形労働時間制」と残業の考え方
夜勤のある職場では、1か月単位などで勤務時間を調整する「変形労働時間制」を導入しているケースがあります。変形労働時間制とは、勤務形態に応じて一定期間内の労働時間を調整して働く仕組みです。夜勤は1回あたりの勤務時間が長くなるため、医療現場でも採用されることがあります。
ただし、変形労働時間制だからといって、自由に勤務時間を設定できるわけではありません。制度を導入していても、所定の勤務時間や法定労働時間を超えた場合は、時間外労働として割増賃金の対象になる可能性があります。
求人を見る際は、「夜勤回数」や「月収」だけでなく、勤務時間の考え方や残業の扱いも確認しておくと安心です。
参考:「日本看護協会|「看護職の夜勤・交代制勤務に関するガイドライン(P.30 変形労働時間制の適用)」
求人票は「固定残業代」の内訳まで確認
固定残業代とは、一定時間分の残業代をあらかじめ給与に含めて支給する仕組みです。固定残業代制度を採用している職場では、厚生労働省が募集要項や求人票などに以下の内容を明示するよう案内しています。そのため、求人を見る際は、これらが記載されているか確認しておきましょう。
・固定残業代に関する労働時間数と金額等の計算方法
・固定残業時間を超える時間外労働、休日労働、深夜労働に対して割増賃金を追加で支払う旨
参考:「厚生労働省|職業紹介事業者の皆さまへ」
看護師の残業に関するFAQ
Q. 勤務前の情報収集や申し送り後の記録は残業になりますか?
A. 業務上必要な勤務前の情報収集や研修、勤務後の記録などは、労働時間として扱われる可能性があります。日本看護協会も、必要な情報収集や研修は超過勤務手当の対象になり得ると説明しています。
参考:「日本看護協会|看護職の仕事と給与の特徴(3.サービス残業)」
Q. 看護師の残業代は必ず出ますか?
A. 法定労働時間を超える時間外労働、深夜労働、休日労働には、原則として割増賃金が発生します。また、勤務前の情報収集や勤務後の記録、必要な研修なども、業務実態があれば労働時間にあたる可能性があります。
Q. 夜勤明けの残業にも残業代は出ますか?
A. 夜勤明けであっても、所定勤務時間を超えて業務を行った場合は、時間外労働として扱われる可能性があります。22時〜翌5時の勤務には深夜割増も関係するため、勤務時間や休憩取得状況、申請ルールなどを入職前に確認しておくと安心です。






