看護師さんにとって夜勤の仕事は魅力的でもあります。
その魅力はやはり手当がつくことによる時給の高さ。日中を自由に使いつつ、夜の時間帯に効率よく稼ぐなんてことも可能です。
最近は「夜勤専従」という夜勤のみで働く仕事も注目されています。
しかし夜勤はデメリットもあるのが事実。その最たるものが体への負担です。
そこで今回は疲労回復と密接な関係のある「睡眠」をテーマに、夜勤で働く看護師さんに知ってほしい良質な睡眠のとり方をまとめました。
【睡眠サイクルが崩れて疲れやすい看護師】
同じ時間働くにも関わらず夜勤の仕事が体へのストレスになりやすい大きな原因のひとつが、生体リズムの乱れです。
人間だけでなく多くの生物には概日リズム(サーカディアンリズム)と呼ばれる、24時間周期で体温や血圧が変動して覚醒と休息をくり返す仕組みがあります。
本来休むべき時間に働く夜勤の看護師さんは、このバランスが崩れがちになります。(※1)。
それによって自律神経やホルモン分泌に異変が起こり「何だか疲労やだるさが抜けない・・・」、「胃腸の調子が悪い・・・」といった症状がでてしまいます。
心身へのストレスを感じながらも働き続けるのは辛いものです。
【睡眠と仮眠の質をあげることが夜勤を続ける秘訣】
長く夜勤仕事を続けている人は、心と体のケアをしっかりとしています。
とくに大事なポイントは睡眠でしょう。夜勤明けで普段は起きているような時間で、しかも体が興奮状態にあってもしっかりと良質な眠りをとれるか。
また仕事の休憩時間の仮眠もとても大切です。夜勤中の睡眠は、夜勤前の3倍の疲労回復効果があるとされます(※2)。
やはり少しでも夜間に寝たほうが良いんですね。
【夜勤明けの睡眠の質を高める方法】
・強い光を目に入れない
「夜勤明けの朝日が強くて目が焼けそう・・・」という経験をした看護師さんは多いと思います。
強い光は頭を覚醒させてしまうので、帰宅時は日傘などで自宅は遮光のカーテンを使うなど、光を遮るようにしましょう。
寝る時はアイマスクがおすすめです。マットレスにこだわったり、アロマを焚いたりするなど睡眠環境を整えることも大事です。
・寝だめはあまり効果的でない
人にもよりますが、夜勤明けに夜まで「寝だめ」してしまうのはかえって疲労が抜けにくいことも。
午前中にリラックスした仮眠を数時間取り、それからは通常の睡眠サイクルに戻した方が体の回復を望めます。
【勤務中の仮眠の質を高める方法
・自分の睡眠サイクルを把握する
サーカディアンリズムによって体温が低下する時間が最も眠気を感じやすく、睡眠効率も良い時です。
その時間帯はその人が朝型か夜型かによって、2時間ほど差がつくこともあります。
自分はどのパターンなのか見極めておくことは大切です。
急な仕事で難しいこともあるかもしれませんが、同僚と協力しながらお互いの効率の良い時間帯で眠る工夫もできます。
・胃の中に何もない状態で眠る
患者さんの命を預かる看護師さんは、仕事中に気を抜けないものです
。休憩時間になると緊張の糸が切れて疲労が襲ってくるので、つい気分転換に何か口にいれたくなってしまいますよね。
しかし食べ過ぎは仮眠の質を下げます。
消化の良いものを軽く、できれば仮眠前3時間は何かを口にしない方がよいです。
・休み時間は極力携帯を見ない
時間があるとつい確認してしまう習慣のある人もいると思いますが、スマホの画面を見ることは脳への刺激になり、覚醒してしまうので眠りにくくなります。
・設備が整っている施設に就職する
個人的な工夫もできますが、そもそもゆったりと落ち着いた環境で眠れるかはその病院の休憩体制や設備が整っているかにも左右されます。
できれば個室、寝返りがうてるような広いベッドがあると理想的です。
職場探しの時には、その点もチェックしておきましょう。
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【参考】
※1 「看護職の夜勤・交代制勤務に関するガイドライン」 日本看護協会より
※2 「夜勤中の仮眠を取りましょう ~夜勤とうまくつきあうために」 日本看護協会より