現在、看護師として働いている方でも「日本にはどれくらい看護師がいるか」や「男女比、平均年齢」などを知っている方は少ないでしょう。
そこで本記事では、意外と知らない看護師さんにまつわるデータを紹介します。今の医療現場を理解するためにも、ぜひ参考にしてみてください。
看護師さんの数、男女比は?
はじめに、日本で働く看護師さんの人数を見てみましょう。実は、看護師の数は年々増加傾向にあります。
平成22年:952,723人(男性53,748人、女性898,975人)
平成24年:1,015,744人(男性63,321人、女性952,423人)
平成26年:1,086,779人(男性73,968人、女性1,012,811人)
平成28年:1,149,397人(男性84,193人、女性1,065,204人)
平成30年:1,218,606人(男性95,155人、女性1,123,451人)
平成20年(877,182人)と比べると平成30年は+341,424人増加し1,218,606人で、増加率はおよそ39%です。
性別を問わず看護師数は右肩上がり増えていますが、平成20年の男女比は「女性94.9%:男性5.1%」であるのに対し、平成30年では「女性92.2%:男性7.8%」と、男性看護師の割合がやや増えているのが特徴的です。
非正規雇用の割合は?
では、現場で働く看護師さんの正規・非正規の割合はどうでしょうか。
非正規雇用 18.9% (213,332人)
派遣:0.3%(3,732人)
正看護師の場合、82.2%(1,001,542人)の方が正規雇用で、非正規雇用(18.9%)・派遣(0.3%)の方が合計で19.1%を占めています。
正規雇用の割合は高いものの、およそ5人に1人の看護師さんは、非正規雇用で働いていることがわかります。
看護師さんは何十代が一番多い?
次に、看護師さんの年齢層に関するデータを見てみましょう。
25~29歳:154,222人 12.7%
30~34歳:140,543人 11.5%
35~39歳:157,790人 12.9%
40~44歳:183,793人 15.1%
45~49歳:159,750人 13.1%
50~54歳:132,237人 10.9%
55~59歳:97,611人 8.0%
60~64歳:56,799人 4.7%
65歳以上:32,415人 2.7%
もっとも多い年代は40〜44歳の15.1%、それに続くのが45~49歳の13.1%で、合計すると40代の方が28.2%、およそ4人に1人の割合を占めていることがわかります。
それに続くのは35~39歳の12.9%、25~29歳の12.7%です。
看護師さんはどこで勤務している?就業場所ランキング
次に、看護師さんの就業場所に関するデータを見てみましょう。意外と「病院以外」で活躍している看護師さんが多いことがわかるはずです。
2位:診療所 155,986人
3位:介護保険施設等 89,270人
4位:訪問看護ステーション 51,740人
5位:社会福祉施設 18,897人
6位:看護師等学校養成所又は研究機関 16,867人
7位:その他 8,091人
8位:市区町村 7,139人
9位:事業所 4,784人
10位:保健所 1,237人
11位:都道府県 1,003人
12位:助産所 190人
圧倒的に就業場所として多いのはやはり病院と診療所で、合計すると1,019,388人で全体の約84%を占めています。
しかし、3位の介護保険施設等や4位の訪問看護ステーションなど、病院以外の現場で活躍している看護師さんも多いことがわります。
人口10万対就業看護師数
最後に、都道府県別の「人口10万対就業看護師数」の中から、特徴的なデータを見てみましょう。
ここから「人口に対して十分な看護師数が確保されているか」を読み解くことができます。
1位:高知県 1,511.0人
2位:鹿児島県 1,394.3人
3位:佐賀県が 1,335.4人
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45位:神奈川県 738.4人
46位:千葉県 722.7人
47位:埼玉県 693.6人
もっとも多いのは高知県で、それに鹿児島県、佐賀県が続きます。一方、もっとも少ないのは埼玉県の693.6人。続く千葉県(722.7人)、神奈川県(738.4人)と人口が集中している首都圏で看護師不足が顕著に現れています。
ちなみに、東京都はそれら3県よりは数は多いものの、792.3人と全国平均の963.8人を大きく下回っているのが実情です。
今回は看護師さんの数、男女比、就業場所、平均年齢などのデータを紹介しました。
最後の「人口 10 万対就業看護師数」からは、首都圏で深刻な看護師不足が進んでいることがわかります。
現在、一つの病院で勤務している看護師さんで、もし時間的・体力的な余裕がある方は、Wワークのアルバイトなどで、少しでも看護師不足を解消する手助けをしてみてはいかがでしょうか。
将来のための「スキル磨き」にもきっと役立つはずです。
*出典:厚生労働省 「平成30年衛生行政報告例(就業医療関係者)の概況
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/eisei/18/dl/gaikyo.pdf