多くの看護師さんを悩ませる「ハラスメント」。ハラスメントとは相手を不快な思いにさせる言動のことを指します。
近年、ハラスメントを受け、離職を考える看護師さんも少なくありません。
今回の記事では、実際にハラスメントを受けた際にどのように対処すれば良いかについて解説します。
ハラスメントを受けた際には「相談しても意味がない」「我慢すればいい」と考えてしまいがちですが、よい状況に変えられるよう前向きに行動することが重要です。
看護師さんが受けるハラスメントの相手
看護師さんがハラスメントを受ける相手は、一緒に働く上司や同僚だけに限りません。
まずは、看護師さんがどのような相手にどういったハラスメントを受けているかを確認していきましょう。
また、看護師さんの職場で起こりうるハラスメントの種類についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
ぜひチェックしてみてください。
上司と同僚
看護師さんが受けるハラスメントの相手としては、一緒に仕事をする上司や同僚が最も多いとされています。
中でも、上司や同僚からは職場の人間関係から孤立させられたり、無視をされたりといった精神的なダメージを与えるハラスメントを受けるケースが多くあります。
患者さんとその家族
上司と同僚についで多いのが、患者さんやその家族の方からのハラスメントです。
2017年に実施された日本看護協会の調査では、患者さんから身体的な暴力やセクハラを経験した看護師さんが多いことがわかっています。
医師
一緒に働く医師から受けるハラスメントとしては、主にパワハラの報告が多いのが特徴です。
パワハラの例として、看護師よりも医師の方が偉い旨の発言や、患者さんの前で叱責するなどの行動が挙げられます。
看護師さんは医師の指示を受けて処置をします。
命を預かる医療現場ということもあり、中には不快な言葉をかけられてもハラスメントと認められないこともあります。
言動が過剰だと感じた場合には、遠慮せずに声を挙げましょう。
ハラスメントを受けたと感じたらとるべき行動
では、実際にハラスメントを受けた場合にはどのように行動したらよいのでしょうか。
事前に把握しておき、スムーズに対処できるようにしておきましょう。
受けたハラスメントを記録しておく
ハラスメントを上司や施設に訴える際には証拠が必要です。
実際にどのようなハラスメントを受けたかがわかる証拠を事前に集めておきましょう。
例えば、会話の録音や録画、メールの内容、第三者の証言など何かしらの方法で記録しておくのがおすすめです。
「やった」「やってない」の言い合いになってしまわないよう、証拠はなるべく具体的に記録しておくようにしましょう。
上司や信頼できる人に相談する
ハラスメントに関して信頼できる人に相談することをまずは検討してみてください。
ハラスメントを受けた際、「自分が悪い」と1人で悩みを抱え込み、状況が悪化してしまうケースもあります。
相談をして状況が好転させられる可能性もあるため、1人で抱え込まずに周囲に助けを求めてみましょう。
外部相談窓口も活用しよう
看護師さんの職場でハラスメントが多い現状を受け、現在8割近くの病院では施設内でハラスメントの相談対応をとるなどの対策を行っています。
しかし、施設内での相談は控えたいと考えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
その場合には外部の相談窓口を活用してみてください。
以下の通り、無料でハラスメントの相談ができる選択肢がさまざまあります。
・厚生労働省の総合労働相談コーナー
予約不要で電話と面談での相談が可能です。
https://www.mhlw.go.jp/general/seido/chihou/kaiketu/soudan.html
・厚生労働省の悩み相談室
電話やメール、SNSなどご自身にあった方法で相談できます。
https://harasu-soudan.mhlw.go.jp/
・法テラスのサポートダイヤル(電話やメール。無料で利用可能。)
弁護士さんに電話やメールで相談することが可能です。
https://www.houterasu.or.jp/service/roudou/index.html
異動を申し出る
大きな施設であれば環境を変えるため、異動を申し出るのも一つの方法です。
なるべく早い段階で上司に相談してみましょう。
転職も検討する
「小さな施設で異動が難しい」「上司に相談をしても変わらなかった」など、現状を変えることが難しい場合は転職を検討する必要もあるでしょう。
ナイトナースでは、コンサルタントが丁寧なヒアリングを通し、希望にあった求人を紹介しています。
転職を検討する際には気軽に活用してみてください。