日々忙しく働く看護師さんは、知らず知らずのうちにストレスを溜めてしまうことも少なくありません。
ストレス解消の方法は人それぞれですが、実は「涙を流すこと」もストレス解消に繋がるのをご存じですか?
そこで今回は、看護師さんにぜひ取り入れてほしい「涙活」の方法を紹介します。
きっと他のストレス解消法とは違った感覚を味わえるはずです。
そもそも「涙活」とは?
涙活とは、意識的に涙を流すシチュエーションを作ることでストレスを解消させる活動のこと。
この言葉の生みの親は、日本の実業家、文筆家である涙活プロデューサーの寺井広樹氏。2013年1月に考案された涙活は、コロナ禍の影響で再度注目を集めています。
涙活がストレス解消に繋がるのは、涙を流すことと自律神経が関係しているから。看護師さんはすでにご存じかと思いますが、人は自律神経により心のバランスを保っています。
勤務中など脳が活発に活動している時は交感神経が優位な状態。
一方で、脳がリラックスしている時は副交感神経が優位な状態に切り替わります。
泣いている時は副交感神経の活動が促されることが分かっており、泣くことで精神的なストレスが解消すると言われています。
意識的に涙を流して副交感神経の働きを促し、脳をリラックスさせることが涙活の目的です。
涙活は、ただ涙を流せばいいわけではありません。
涙活によるストレス解消効果が期待できるのは、悲しい時や感動した時に流す「情動の涙」。
目にゴミが入った時の角膜保護の涙や、タマネギを切った時に発生する刺激物による涙では効果がないため、注意しましょう。
涙活をする上で大切な4つのポイント
ここからは、実際に涙活を行うための4つのポイントを紹介します。
涙活のためにどのような準備が必要か、どのくらいの頻度が理想的なのか、具体的な方法を見てみましょう。
題材を選ぶ
まずは、涙活のための題材を選びましょう。
家族ものや動物もの、恋愛もの、スポーツものなど、人それぞれ泣けるツボは違うため、自分が一番泣きやすいと思うジャンルを選ぶことがポイント。
小説やエッセイを読んだり、音楽を聴いたりするのも良いですが、初めての涙活におすすめなのは「映像」です。
動物本能から人間は、動くものに対して注意を払いやすい傾向にあります。
また、他人の行動をあたかも自分の行動のように認識する「ミラーニューロン細胞」により「感情移入」することができるのです。
≪題材選びのコツ≫
先述した通り、一人ひとり”泣けるツボ”は異なります。
一口に「家族もの」と言っても、そのジャンルは多岐に渡ります。
中には「ノンフィクションでないと泣けない」という人もいるでしょう。
泣けるツボは、過去の自分の人生経験によって異なると言われています。
自分の泣けるツボがいまいちわからないという看護師さんは、まずはいろいろなジャンルの動画を見て検証するのがおすすめです。
『泣ける動画』と検索すると、さまざまなジャンルの泣ける動画が出てきます。
気になるタイトルを見つけて、自分が一番泣けるジャンルを探求してみましょう。
環境を作る
涙活のためには、誰にも邪魔されない一人の空間を作ることも大切。
「周りの目が気になって泣けない」という人もいますが、涙を我慢してしまうとかえって交感神経が優位になり、せっかくの涙活の意味がなくなってしまいます。
できるだけ一人になれる環境を整え、部屋の照明を暗めに設定したり、好きな香りのアロマを炊いたり、自分がリラックスできる特別な空間を演出してみてください。
リラックスできるタイミングで行う
涙活は、自分がリラックスできるタイミングで行うのがおすすめです。
心置きなく涙活をするためには、出勤前よりも仕事から帰宅してからの方が良いでしょう。
夜勤バイトなどをしている看護師さんは、夜勤明けや休みの前日などがおすすめです。翌日が休みの場合は次の日のことを考えなくて良いため、より涙活に向いていると言えます。
また「帰宅してすぐ」よりも、お風呂に入って体が温まった状態で涙活を行う方がリラックスできるはずです。
頻度は週1回
涙活は、週一回のペースで取り入れるのがおすすめです。
実は、「涙を一粒流しただけで、ストレス解消効果が一週間持続する」とも言われています。
定期的な涙活によってストレス解消することで、自身のコンディションを保ちましょう。
夜勤バイトなどに従事する忙しい看護師さんは、勤務スケジュールを確認して涙活ができそうな日を、あらかじめ決めておくことも大切です。